確定申告は廃止できますか(ベータ版)
確定申告を廃止する方法を考えましたので説明します.
《プロローグ》
なぜ確定申告は必要なのでしょうか.
政府が国家予算を確保するために国民一人ひとりから税金を集めるのに必要なのだと思います.と云うことは、予算を確保する方法が税金を個別徴収する以外にあれば、確定申告を廃止できるはずです.
《単純な国家モデル》
確定申告を廃止する事を考えるにあたって、単純な国家モデルを導入してみます.
確定申告をしないので、誰が幾ら貨幣を保有しているのか、政府は分からないとします.
しかし、貨幣の発行総額は中央銀行の記録から確認できるとします.
発行総額は1000億円として、国民が保有しているとします.政府の保有額は0円とします.
計算例として、発行総額の半分の500億円を国民から政府へ移動させてみます.
《計算例》
まず、政府は中央銀行に1000億円の貨幣を発行させて国庫に納めさせます.
すると、世の中には2000億円分の貨幣が流通することになります.
流通量を調整するためにデノミネーションを行います.
通貨単位は同じ円のままとします.この計算例では、2円を1円にデノミします.
すると、国民の保有する貨幣の総額は500億円に減り、政府の保有する貨幣は500億円になりました.流通量は1000億円に戻りました.
つまり、中央銀行が貨幣を発行して国庫に納めてデノミすると、国民の保有する貨幣の一部を、政府に移動出来ると云うことです.
《問題点》
理論的には可能だとしても、これを紙幣と鋳造コインで実行するのは難しいと思います.
《電子マネー》
しかし、通貨を電子マネーで発行することにすれば、ワンクリックで通貨を発行してワンクリックで国庫へ納めてワンクリックでデノミを行い、コストを掛けずに瞬時に国民から政府へお金を移動できると思います.
よって、電子マネーを使えば政府は国家予算を簡単に確保できるので、確定申告は廃止できると思います.
《エピローグ》
確定申告も税務署員も会計士も不用で、政府は国家予算を確保できます.生産性のない作業である税務処理が無くなれば、その分のマンパワーを生産性のある分野へ振り分けることが出来るようになると思います.
如何なものでしょうか.
―― あとがき ――
投稿サイト「パブー」で公開した作品です.こちらに移植しました.
初出:
社会エッセイ『確定申告は廃止できますか(ベータ版)』2016年3月28日発行