頂きます考、他7題
―― 頂きます考 ――
食事をする時に言う「いただきます」の意味は「無料でもらう」です.
この意味を「(命を)いただきます」と解釈しようとすることに就いて考えてみます.
日本に於いて長い間、家父長制度がありました.最近まであったと思います、事によれば今でもあるかもしれません.
家長の稼いだ金で用意した食事を妻子は金を払わないで食べるのだから、家長に対して「(無料で食べさせて)いただきます」と言う訳ですが、戦後ずいぶん時間が経ち人々の平等意識も高まり、家事も労働であると認識するようになり、核家族化も進み、パートやバイトも普通にあり、職業婦人も一般化した現代で、何故たかが夫如きに「(無料で食べさせて)いただきます」と一々言う必要があるのか、と云う疑問が発生したのだと思います.
そして、その疑問を解消する為に、たぶん任侠映画か何かで聞いた「御命頂戴」を誰かが逆方向の類推により「(命を)いただきます」と云う解釈に結び付けたのだと思います.水や白湯を「いただく」ときには、どのように解釈すべきかと考えると、「(命を)いただきます」と解釈するのは納得できません.
例えば「一緒に食べましょう」と言うことも可能なはずなので、解釈を変更するのではなく、新しい時代の言葉を見つける必要があると考察します.
―― 9月入学 ――
大学の入学時期に就いて、何となく思った事です.
大学の入学時期は、4月でも9月でも、各大学が適当に決めれば良いと思う.そうすれば企業は4月に一括して新卒採用できなくなる、若しくは、しなくなる.
中途採用を含めて随時採用するようになる気がする.なぜ全国一斉に入学したり就職したりする必要があるのだろうか.
『追記:5月でも10月でも何月でも、自由に決めればいいと思います』
―― 内縁届の新設計画(ベータ版) ――
概要:内縁関係で生活する人々が安定して暮らせるように、法整備をするためのアイデアです.
《はじめに》
社会制度の中に多くの選択肢があればあるほど、それだけ自分に適する選択が可能になると思います.
《内縁届》
内縁関係を明示的に選択することができるように、届出を新設して民法・戸籍法で規定します.
基本的に婚姻届と同じとします.婚姻届との違いは下記の通りとします.
別姓でも同姓でも良い
両人の合意のみに基づく
姻族関係が発生しない
《おわりに》
内縁関係を解消するための届出も必要だと思いますので、別途規定することになります.
―― 憲法を改正して革命権条項を新設します(ベータ版) ――
官僚は、増税により公共事業への財源を確保して、自分達の天下り先を確保しようとしています.
消費税の増税が阻止されれば即座に、年金の掛け金の値上げでも、カジノでも、あらゆる手段を使い国民から金銭を取り立てます.
民主党政権に代っても自民党政権に代わっても、官僚は代りません.官僚は自分達の天下り先に都合の良い政策を続けることが出来ます.
行政立法の法案では、官僚の利権ための法律が作られるだけです.まるで官僚に主権があるようです.政治家が官僚の操り人形になっている現状に於いて、政権交代があっても国民の意志が政治に反映される事はないと思います.
そこで、憲法を改正して革命権条項を新設します.そして、革命により官僚機構をすべて入れ替える事が出来るようにします.
第104条 革命権
日本国民は、革命権を保持する.
革命権の行使により、全ての国家公務員は罷免される.
如何なものでしょうか.
―― 著作権法 ――
著作権の保護期間について思い付いた事です.
なぜ、著作権者の死後まで保護期間があるのでしょうか?
著作権法第1章第1節(目的)第1条を引用しますと、
● 第1条 この法律は著作権並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作権者の権利及びこれに隣接する権利を定めこれらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ著作権者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する事を目的とする.
さらに、第4節(保護期間の原則)第51条を引用しますと、
● 第51条 著作権の存続期間は著作物の創作の時に始まる.
● 2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者の死後.次第1項において同じ.)50年を経過するまでの間、存続する.
引用を終わります.
保護期間は、著作者が生きている間、存続すれば良いと思います.死後までも保護する意味はありません.遺産の相続権を著作権に組み込む必要はありません.相続権者を保護した処で、文化の発展に寄与しません.逆に阻害すると思います.著作者の死後何十年と作品が固定されては、次の段階への発展を妨げるだけです.
著作者の死後直ちに他の創作者へ作品を開放することが、文化の発展に寄与する事だと思います.創作能力があるのは著作者であって、遺族ではありません.著作権を相続すると云う考えに間違いがあります.遺族の保護については、他の職業と同様に、遺族年金や生活保護や生命保険で対処する事だと思います.
なぜ、著作権者の死後まで保護期間があるのでしょうか?
たぶん、欧米先進国の巨大映画産業や巨大出版産業などが早い者勝ちで現状固定して利益を確保するためだと思います.
―― 空調機 ――
義務教育の9年間を8年間に短縮する方法を考えて見ました.
全ての公立の小・中学校にエアコンを導入します.
夏は涼しく・冬は暖かい環境が整うので、夏休み・冬休みを廃止して、夏季・冬季も授業を行ないます.
すると、1年間に35日ほど授業日数が増えます.
8年間では、280日ほど授業日数が増える事となります.
280日の授業日数があれば、現行の1年分の授業が行なえます.
よって、8年間で9年分の授業日数が確保できます.
つまり、エアコンを導入して夏休み・冬休みを廃止すれば、8年間で義務教育を終了する事が可能となり、学業の嫌いな生徒は早く社会に出て手に職を着ける事が可能となり、学問の好きな生徒は上級の学校へ進学して早く高度な教育を受ける事が可能となり、教職員・校舎のリストラクチャリングにより財政の負担を軽減する事が可能になるような気がします.
―― コンピュータは、他者を差別する事が出来るのか、若しくは、差別を認識する事が出来るのか(ベータ版) ――
コンピュータ言語には人称代名詞がありません.
LISPやPL/1についてはよく分かりませんが、多分、ないと思います.
日本語でも英語でも、人称代名詞がなければ、他者を差別できないような気がします.
仮に、人称代名詞の「私・私達・あなた・あなた達・彼・彼女・彼達・彼女達」をすべて一般名詞の「ヒト」と呼ぶとしたら、他者を差別できるのでしょうか.例えば「私は彼等が嫌いだ」は「ヒトはヒトが嫌いだ」と云う事になり、「私たちは偉い」は「ヒトは偉い」と云う事になります.
コンピュータは自分自身が何者であるのかも認識できていないような気がしますし、人称代名詞のないコンピュータ言語を使用して他者を差別するプログラムを作成することも出来ないような気がします.多分、コンピュータは他者を差別できないし、差別を認識することも出来ないのだろうと思います.
如何なものでしょうか.
『追記:CPUのシリアル番号に一人称を紐づければ、他者を差別できるかも知れないと思いました』
―― 公的保証人制度義務化法案を国会に提出します(ベータ版) ――
市町村民は、市役所・町村役場に届け出ることにより、市役所・町村役場を自身の保証人に立てる事が出来る法律を制定します.
例えば、賃貸住宅を借りる場合、貸主から保証人を求められた時、市役所に一定の金額を預けるとその金額の範囲内で、市役所がその市民の保証人になる制度です.
仮に50万円を預けておけば、50万円までの損害を市役所が保証すると云う事です.
如何なものでしょうか.
―― あとがき ――
投稿サイト「パブー」で公開した作品です.こちらに移植しました.
初出:
「リトルプレス小豆A2」2013年9月26日発行、2015年10月1日改訂(頂きます考)
「リトルプレス梅桃01」2014年3月7日発行(9月入学)
「リトルプレス胡麻01」2016年6月18日発行(内縁届の新設計画(ベータ版))
「リトルプレス桜蝦01号」2016年12月8日発行(憲法を改正して革命権条項を新設します(ベータ版))
「リトルプレス群雀01」2013年10月28日発行、2015年10月29日改訂(著作権法)
「リトルプレス梅桃04」2014年7月11日発行(空調機)
「リトルプレス桜蝦01号」2016年12月8日発行(コンピュータは、他者を差別する事が出来るのか、若しくは、差別を認識する事が出来るのか(ベータ版))
「リトルプレス桜蝦01号」2016年12月8日発行(公的保証人制度義務化法案を国会に提出します(ベータ版))