平面の等量等形分割『二等辺3角形』
―― まえがき ――
1種類の図形を使用して、平面を等量等形分割する方法について解説します.
使用する図形は二等辺3角形です.
この図形の基本的条件、基本的性質、具体的形状例、タイル張り手順、応用作品例を提示します.
―― ギャラリー1 ――
―― ギャラリー2 ――
―― ギャラリー3――
―― 図形の基本的条件 ――
下記の条件を満たす二等辺3角形を使用して等量等形分割を行ないます.
二等辺に挟まれる内角:
A=360°÷n
nは3以上の整数
残りの二つの内角:
B=(180°-A)÷2
―― 基本的性質:角度 ――
角Aが一つと角Bが二つで180度になるので一直線上に並びます.
A+2×B=180°
2×B+A=180°
―― 基本的性質:辺の長さ ――
底辺の数と側辺の数が同じならば、並べる順番にかかわらず、長さも同じになります.
底辺+側辺=側辺+底辺
―― 基本的性質:同方向 ――
同じ方向の二等辺3角形でタイル張りをしていくことが出来ます.
―― 基本的性質:方向転換 ――
また、任意の段階で方向を転換することが出来ます.
―― 具体的形状例 ――
n=9の場合の二等辺3角形を具体例として取り上げて、平面を等量等形分割する方法について解説します.
A=360°÷9=40°
B=(180°ー40°)÷2=70°
―― タイル張り手順 ――
(ステップ1)
まず、二等辺3角形を正9角形の外形になるように並べます.
―― タイル張り手順 ――
(ステップ2)
二等辺3角形の頂点(角A)を正9角形の頂点に合わせて、二等辺3角形の側辺を正9角形に接触させます.
―― タイル張り手順 ――
(ステップ3)
ステップ2の手順を正9角形の各頂点に対して行ないます.
―― タイル張り手順 ――
(ステップ4)
接触させた二等辺3角形を同じ方向でタイル張りしていくことも出来ますが、ここでは方向を転換してみます.
―― タイル張り手順 ――
(ステップ5)
このまま同じ方向でタイル張りしていくことも出来ますが、また方向を転換してみます.
―― タイル張り手順 ――
(ステップ6)
ここでもまた、方向を転換してみます.
この後も同様にタイル張りをしていくことが無限に出来ると思います.
(証明は行なっておりません)
n=9以外の場合については省略しますが、同様に考えることができます.
(了)
―― 後書き ――
この本はパブーに於いて公開している電子書籍、幾何エッセイ『二等辺3角形による等量等形分割』を加筆修正したものです.